世界が注目したアメリカ大統領選挙は、11月3日、投票終了後、開票が始まった。民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)の優勢という事前予想(世論調査)の中、実際には、共和党のドナルド・トランプ大統領の猛烈な追い上げで、決着が見通せない大接戦、大混迷となった。  投開票から5日後の8日、最後の激戦となっていた5州のうちペンシルベニアとネバダ州で、バイデン氏が勝利し、「選挙人」過半数の270人(バイデン氏279―トランプ氏214)を満たし、米メディアは一斉に「バイデン当確」を報道、大統領に当選したことが判明した。
安倍首相は8月28日、病気を理由に突然辞任を表明した。歴史は繰り返す、という。読売新聞の橋本五郎特別編集委員は、翌日、新聞1面冒頭で「歴史は繰り返す。残念だがそうなった」と悔しがった。  マルクスは「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」のなかで、「世界史的事件は2度現れる。1度目は悲劇として、2度目は喜劇(笑劇)として」と書いた。安倍首相の今回の辞任はそれを絵にかいたものであった。   
 2020年は戦後75年である。区切りの年、日本では総理大臣が談話を発表するのが恒例になっている。今年は安倍首相の「戦後75年談話」はなかった。これはいったいどういうことか。  5年前の「戦後70年談話」は安倍首相の名で発表されたが、何と1995年の「村山談話」を全面的に踏襲するものであった。それだけに、当時大騒ぎとなった。
『文芸春秋』7月号に発表された作家・柳田邦男氏の〈この国の危機管理を問う〉は誠に価値の高い報告である。そして『中央公論』7月号に紹介された作家・多和田葉子氏のドイツからの報告はその良き証言である。人民の将来、人類の未来に責任を持つものは誰であれ、学ばねばならない