2026年6月25日 №562

2026年6月25日 №562

《独ソ戦開始(1941年6月22日)・ 偉大な独ソ戦勝利(1945年5月9日)を記念して》

 スターリンとソビエト人民が闘い取った独ソ戦(大祖国戦争)の勝利こそ、第二次世界大戦(反ファシズム解放戦争)の勝利を決定づけた歴史的勝利であった。全世界の労働者階級と人民はこの重要かつ重大な歴史的事実を絶対に忘れてはならない!

 

 

 

スターリンを否定したフルシチョフとその修正主義一派、プーチンとロシアのブルジョア政府に独ソ戦勝利を記念する資格はない。独ソ戦の勝利は、スターリンとその旗の下に戦ったソビエトの党・赤軍・人民のものである!

 

 

 

  1941622日、ナチスドイツの奇襲攻撃によって開始された独ソ戦は、ソビエト軍のスターリングラードの勝利が転換点となり、194559日、ドイツが敗北を認め、降伏文書に署名、ソビエトの完全な勝利に終わった。そして、それは同時に、米欧を含む反ファシズム解放連合の勝利でもあった(米欧時間では58日調印)。

 

  戦後、59日は、多くのソ連邦の共和国で祝日とされ、毎年59日は対ドイツ(独ソ戦・大祖国防衛戦争)戦勝記念日として盛大な記念集会・式典が催されてきた。

 

  では、ウクライナに侵攻中のプーチン政権は今年の戦勝記念日をどのように記念したのか。

 

  2026518日付日本経済新聞の『核心―Opinion』欄は『戦勝記念日とロシアの変質』と題し、アナスタシア・ストグネイ氏(ロシア特派員)の次のような報告を掲載している。

 

 〔かつての華やかな式典は今や隔世の感がある。ウクライナからの攻撃に対する不安が高まるなか、26年の戦勝記念日は招待客の数も少なく、式典はわずか4分で終了した。筆者が子どもの頃の戦勝記念日とは大違いだ。戦勝記念日には決まり事や儀式、そして意義があった。南部ボロネジ州の筆者の故郷では皆が集い、地域一帯は活気にあふれていた〕と。

 

  何という惨めな26年記念式典であることか。この根底にある真実とは何か。

  1、ソビエト人民が闘い取った輝かしい「対ドイツ戦勝記念日」を破壊してしまったその最大の責任、それは、マルクス主義運動史上最大の修正主義者、変節者、最大の裏切り者であるフルシチョフとその修正主義一派にある。19562月のソビエト共産党20回大会において、フルシチョフは突如「スターリン批判」なる秘密報告を

行い、「スターリンは血の粛清による独裁者であった」などと言い立て、人々を唖然とさせた。そして、フルシチョフから通告を受けた米帝は、これを大々的に公表し、全世界に衝撃を与えた。その結果、ソビエトの党と国家は内部から変質、それ以後、ソビエトは資本主義に転落し、全面的崩壊を遂げ、遂にはプーチンを大統領とする「ロシア帝国」に帰結したのである。ソ連の社会主義と「対ドイツ戦勝記念日」がおかしくなり、惨めな 

 記念日となったのはフルシチョフ以後であり、全ての責任はフルシチョフとその修正主義一派にある。                                

  2、にもかかわらず、ソビエト人民(ロシア国民)の多くは、スターリンの旗の下に戦い、偉大な勝利を収めた独ソ戦勝利・反ファシズム解放戦争勝利の輝かしい記憶、想い出、伝統を決して忘れていない。プーチン大統領が強行した「2026年戦勝記念式典」が完全に破産し、多くの国民に見向きもされなかったのは当然である。プーチン大統領に戦勝記念を祝う資格など全くない。それどころか、彼は「ナチスを打ち破った大祖国戦争はロシア民族の誇りであり、われわれは再び西側のファシストからウクライナを解放する」と主張し、ウクライナ侵攻・攻撃を正当化した。これはソビエト人民が闘い取った輝かしい対ドイツ戦勝記念日に対する冒とくであり、絶対に許されるものではない。

  3、多くの人々は、こうした現実を見て、「ソ連と社会主義は完全に失敗し、敗北した」としている。だが、われわれ正統派マルクス主義者と革命的前衛は、逆に、こうしたソ連、更には東欧・中国における社会主義の崩壊を、歴史の進歩、発展、前進と見る。つまり、これらの事件は、社会主義と共産主義が最終的に勝利するために必要な一歩であり、歴史の必然性のための偶発的な出来事であり、労働者階級と人民が最終的な勝利のためにもう一度原点に戻ることを要請した巨大な歴史的産物であると見る。われわれ現代の正統マルクス主義者は、原点にもどり、教訓を学び、二度と再びフルシチョフのような裏切り者に党を乗っ取られることのない、永遠に変質することのない革命的前衛党の建設―止揚の哲学(継承し、克服し、発展させる)を堅持し、マルクス主義の理論上の原則を忠実に守り、基礎理論を離さず、全て理論を導きにして実践活動を律する、そういう党の建設―を全力挙げて追求する。歴史は科学法則に基づいて動いている。歴史はあくまでも必然性をもって到達すべきところに到達する。

   以上である。われわれは、輝かしい59戦勝記念日を祝し、ここに、独ソ戦と第二次世界大戦(反ファシズム解放戦争)を勝利に導いた、偉大なソビエト連邦の指導者であるスターリンの発言(主要部分)を紹介する。よく読み、よく学び、偉大な指導者・スターリンの真実、歴史の真実を、正確に、深くつかむよう、心から訴える。

 

独ソ戦と第二次世界大戦(反ファシズム解放戦争)に関するスターリンの発言

 

 

大十月社会主義革命第二十四週年記念日

     (一九四一年十一月六日)

 

  レーニンは、二種類の戦争、すなわち、侵略戦争、したがって不正義の戦争と、解放戦争、正義の戦争とを区別した。

  ドイツは現在、他国領土の獲得と他民族の征服を目あてとする不正義の侵略戦争をおこなっている。だから、誠実な人々はすべて、ドイツ侵略者どもを敵として立ちあがらなけ ればならない。




  ヒトラー・ドイツとちがって、ソビエト同盟とその連合国は、奴隷化されたヨーロッパとソ同盟の諸民族をヒトラーの圧制から解放することを目あてとする正義の解放戦争をおこなっている。だから、誠実な人々はすべて、ソ同盟、大英帝国、その他の連合国の軍隊を、解放軍として支持しなければならない。

  われわれには、他国領土の侵略、他民族の征服というような戦争目的はなく、またありえない。これは、ヨーロッパの諸民族の領土についても、イランをふくむアジアの民族との領土についても、同じことである。われわれの第一の目的は、ドイツ・ファシストの桎梏からわが領土、わが民族を解放することである。

  われわれには、われわれの援助を待っているヨーロッパの奴隷化されたスラブその他の諸民族に、われわれの意志やわれわれの制度をおしつけるというような戦争目的はなく、またありえない。われわれの目的は、ヒトラーの圧制にたいするこれらの諸民族の解放闘争をたすけ、その後、彼らが、まったく自由に、自分の土地で欲するままにやってゆくことを彼らにまかせることである。他民族の内部問題にたいするいかなる干渉もあってはならない!

  だが、これらの目的を実現するには、ドイツ侵略者の軍事力を撃滅しなければならず、わが祖国を奴隷化するためにわが国土に侵入してきたドイツ占領軍を、最後の一兵にいたるまで殲滅しなければならない。

 

  国防人民委員の命令

     (一九四二年二月二十三日)

 

  八ヶ月前ファシスト・ドイツは、乱暴卑劣にも不可侵条約を破ってわが国を背信的に攻撃してきた。敵は最初の一撃の後、赤軍が撃破され、抵抗の力を失うだろうとあてにしていた。

  戦争の進展とともに赤軍は新しい活力をくわえ、人員および器材を補充し、新鋭予備師団の援助を得ていった。そして、赤軍が広大な戦線の重要戦区で攻勢に転じうる時がきた。

  赤軍の力は、まず第一に、赤軍が侵略的な帝国主義戦争をおこなっているのではなく、祖国戦争を、正義の解放戦争をおこなっているということにある。赤軍の任務は、ドイツ侵略者どもからわがソビエト領を解放し、戦前は自由であり、人間らしく生活していたのに、いまや圧迫され、略奪と破壊と飢餓に悩んでいるわが農村や都市の市民を、ドイツ侵略者どもの圧迫から解放し、最後に、ドイツ・ファシストの人非人から侮辱と凌辱をくわえられているわが国の婦人たちを解放するということにある。この任務よりも高貴なものがありうるだろうか? 自分は正義の戦争をおこなっているということのできるドイツ兵はひとりもいない。なぜなら、彼らは他国民を略奪し圧迫するためにたたかわせられていることを、知らないわけにはゆかないからである。ドイツ兵には、彼を鼓舞するような、またあえて誇りとしうるような、崇高な。高貴な戦争目的がない。反対に、どんな赤軍兵士で

も、自分は正義の解放戦争を、祖国の自由と独立のための戦争をおこなっているのだと、誇りをもって言うことができる。赤軍には、偉大な功績をたてるよう軍を鼓舞している、高貴な、崇高な戦争目的がある。わが国の祖国戦争が、祖国の自由のためにすすんで死におもむく多数の英雄をうみだしているのは、じつにこのためである。ここに赤軍の力がある。

  最後に、赤軍の力は、赤軍にはドイツ民族をもふくむ他の民族にたいする人種的憎悪がなく、またありえないということ、赤軍がすべての民族と人種の同権の精神、他民族の権利尊重の精神で教育されていることにある。ドイツ人の人種論や人種的憎悪の実践のため、自由を愛するすべての民族がファシスト・ドイツの敵となるということになった。ソビエト同盟における人種同権の理論と他民族の権利尊重の実践のため、自由を愛するすべての民族がソビエト同盟の友となるということになった。ここに赤軍の力がある。

  

大十月社会主義革命第二十六週年記念日

      (一九四三年十一月六日

 

  一九四一年十月、わが祖国は困難な日々を体験していた。敵は首都に近づいた。敵は陸上から レニングラードを包囲した。わが軍隊は退却をよぎなくされていた。モスクワ付近で敵を阻止し、これに大打撃をあたえるためには軍の絶大な努力、国民の全力の緊張が要求された。

  昨年の十月革命記念日ののち、まもなくわが部隊は攻勢に転じ、最初はスターリングラード付近、カフカズ、ドン河中流地区で、のちには、一九四三年のはじめに、ヴェリキエ・ルーキ付近、 レニングラード付近、ルジョフとヴャジマ地区で、ドイツ軍に新しい強力な打撃をあたえた。その後赤軍は、もはや主導権を手ばなさなかった。

  純軍事的見地からみて、本年末のわが戦線におけるドイツ軍の敗北は、二つの重要事件、すなわちスターリングラード付近の戦闘とクールスク付近の戦闘によって、あらかじめ決定されていた。

  スターリングラードはドイツ・ファシスト軍の落日であった。周知のように、ドイツ軍は、スターリングラードの激戦の後には、もはや立ちなおることはできなかったのである。

  この一年は、たんにソビエト同盟の祖国戦争においてだけでなく、世界戦争全体においても転換の年であった。

  この年、軍事情勢と国際政治情勢に生じた変化は、ソ同盟とソ同盟に友好的な連合諸国に有利となり、ドイツとヨーロッパにおけるその共謀者には不利となった。

  赤軍勝利の成果と結末は、ソ独戦線の範囲をはるかにこえて、それからさきの世界戦争のすべてのなりゆきを変化させ、大きな国際的意義をもつにいたった。共同の敵にたいする連合国の勝利は近づき、連合国相互の関係とそれらの軍隊の戦闘の友誼は、敵の期待に反して、弱まらなかっただけでなく、逆に強まり、緊密になった。これについてはまた。最近新聞に公表されたソビエト同





盟、大英帝国、アメリカ合衆国代表者のモスクワ会議の歴史的決定が、雄弁にものがたっている。いま連合国は敵に共同の打撃をあたえる決意にみちており、この打撃は敵に対する最後の勝利に導くであろう。

 

      (以上3つの文書の出典は『ソ同 

       盟の偉大な祖国防衛戦争』1953

        国民文庫社)

 

モスクワ市スターリン選挙区選挙人の選挙前集会での演説

       (一九四六年二月九日)

 

  第二次世界戦争が偶然におこったとか、ある政治家たちの誤りの結果としておこったとか考えることもっとも誤りもあったがはまちがいであろう。実際は、この戦争は、現代独占資本主義を基礎とする世界の経済的・政治的な勢力の発展の不可避的な結果としておこったのである。マルクス主義者は、資本主義的世界経済体制が全般的危機と軍事的衝突の要素をふくんでおり、そのため現代の世界資本主義の発展が、なめらかな均等な前進物の形ではおこなわれずに危機と軍事的破局を通じておこなわれることをたびたび言明してきた。問題は、資本主義諸国の発展の不均等性が、時がたつにつれて、通常、資本主義の世界体制内部の均衡をはげしく攪乱するようになり、そのさい自分には原料と販売市場があまり保障されていないと考える資本主義諸国のグループが、軍事力を行使して現状を変更し、自分に有利なように「勢力範囲」を再分割するのが常である、ということにある。その結果として、資本主義世界は二つの敵対する陣営に分裂して、両者のあいだの戦争がおこるのである。こうして、資本主義的世界経済体制の最初の危機の結果として第一次世界戦争がおこり、第二の危機の結果として第二次世界戦争がおこったのである。

  こういったからとて、もちろん第二次世界戦争が第一次世界戦争の複写だという意味ではない。それどころか、第二次世界戦争は、その性格からみて第一次世界戦争とは本質的にちがっている。念頭におかねばならないことは、主要なファシスト国家ドイツ、日本、イタリアは、連合国におそいかかるまえに、自国のブルジョア民主主義的自由の最後の一片までも絶滅し、国内に残酷なテロル支配を確立し、小国の主権と自由な発展との原則をふみにじり、他国の土地を強奪する政策を自分の特有の政策であると宣言し、自分たちは世界支配と全世界にわたるファシスト制度の拡張とをかちとろうとしているのだと公然と声明し、しかもチェコスロバキアと中国の中部地方を強奪することによって枢軸国は自分たちがあらゆる自由愛好国民を奴隷化する脅威をまさに実現しようとしていることを示した、ということである。この点から見て、枢軸国にたいする第二次世界戦争は、第一次世界戦争とはちがって、最初から反ファシスト解放戦争の性格をおびたのであって、民主主義的自由の回復もまたその任務の一つであった。枢軸国にたいする戦争にソ


堪えぬき、自分の生活能力を証明したことを意味している。

  周知のように、有名な外国のジャーナリストは、ソビエト多民族国家が「人為的な、非現実的なもの」であり、なにか紛糾のある場合にはソ同盟の瓦解はさけられず、ソ同盟はオーストリア=ハンガリアと同じ運命をたどるだろうという意味のことをたびたび述べたものである。

  今われわれは、戦争が外国新聞のこれらの言明を、なんの根拠もないものとして論破してしまったということができる。戦争は、ソビエト多民族国家制度がりっぱに試練に堪えぬき、戦時中にさらにいっそうつよくなり、十分に生活能力のある国家制度であった、ということを示した。この紳士諸君は、オーストリア=ハンガリアとの類比が根拠のないことを理解しなかったのである。というのは、わが多民族国家は、民族的不信と民族的敵意の感情をかきたてるブルジョア的基礎のうえに成長したのではなく、反対にわが国家の諸民族の友愛と兄弟のような協力の感情をつちかうソビエト的基礎のうえに成長したものだからである。 

 

  ところで、この紳士諸君は戦争の教訓を知ったので、もうソビエト国家制度の生活能力をあえて否定しようとはしない。いまでは、もうソビエト国家制度の生活能力は問題にはならない。というのは、その生活能力には疑問の余地がないからである。いまでは問題は、ソビエト国家制度が多民族国家であったということであり、 民族問題と諸民族の協力の問題が、ほかのどんな多民族国家よりもうまく解決される国家組織体制はソビエト国家制度であるということである。   


《2面》

米中首脳会談の内実は「すがるトランプ氏、突き放す習氏」(「日本経済新聞」ワシントン支局長:河浪武史)であった。リーダー不在(分断、分裂、混迷、ジャングル化)、ここに現代の歴史時代がある。労働者階級と人民は、助け合い、協力し、連帯して次なる人民の世界(国家と社会)を目指して進軍しよう!

 

    2026年 5月度政治報告

    広島社会科学研究会 代表 梅原秀臣

 

はじめに

 

228日のアメリカとイスラエルによるイランへの突然の軍事攻撃は泥沼化し、世界(経済)は大混乱に陥っている。と同時に4月に予定されていた、トランプ大統領の中国訪問も一ヵ月延期されたが、戦況は膠着状態のままトランプ大統領は513日、中国へ赴いた。さて両首脳の会談結果はどうであったか。これについては各紙がこれをどう伝えたかを見ればよくわかる。

『日本経済新聞』は、「覇権の暗闘」(〈上〉・〈下〉=17日、18日)なるコラムを設け、〈上〉の見出しを「すがるトランプ氏、突き放す習氏」「尽きる対中交渉カード」として、次のように伝えた。

[「トランプ大統領は今回の訪中を機に、中国、イラン、ロシアの外交3点突破を狙っていた」。米国の北京訪問団の関係者はそう明かす。対中国ではボーイング機の売却や農産品・エネルギーの輸出といった巨額商談を取りまとめ、イランでは戦闘終結へ習近平(シー・ジンピン)国家主席の力を得る。その勢いでロシア・ウクライナの本格的な終戦交渉に入る――。

そんなシナリオは14日の習氏との初日の交渉であっさり崩された。最大500機を見込んでいたボーイング機の商談は200機の売却にとどまり、同社株は同日4%も下落。イラン問題も実質的に前進せず、ひそかに温めたモスクワ電撃訪問も消えた]。

今一つ〈下〉では「AIに欠かせぬ台湾」「習氏『核心的利益』重み増す」として台湾問題を取り上げている。

[中国は台湾を「核心的利益の核心」と位置付ける。その重要性はこの数年で一層高まった。人工知能(AI)の覇権を台湾が握ったからだ。AI半導体の製造を請け負う台湾積体電路製造(TSMC)からAIサーバーの組み立てを受託する鴻海(ホンハイ)精密工業まで。トランプ氏の訪中に同行したエヌビディア、クアルコム、マイクロン・テクノロジー、アップル、テスラ、メタなど米テック大手の事業展開は台湾企業なしには成り立たない。エヌビディアに依存しないAIのサプライチェーン(供給網)づくりをめざす中国にとっても同様だ]。これは双方が喉から手が出るほど欲しいものであり、徹底した利潤追求の資本の論理、どこよりも早い技術革新と領土


わが人民戦線は10年前の2016年、その機関紙『人民戦線の旗のもとに!』(625日付)で「トランプ旋風を生み出したアメリカの歴史時代とは何か」との問いに次のように答えている。

2008114日、世界が注目した米大統領選の結果、黒人の民主党バラク・オバマ上院議員(47)が…新大統領に当選した。…まさにオバマ大統領の出現は大激震となってアメリカ国家と社会と政治を根底から揺さぶり、世界に衝撃が走った。イラク戦争の敗北、米国発の金融危機、そしてオバマ大統領の出現が、一つの巨大な塊となり、歴史発展の梃子(てこ)となったのである。しかも「オバマ旋風」の原動力となった若者たちが…「古いアメリカ」に一撃を加え、独占と帝国主義支配に引導を渡したのである。…

 さて、オバマ大統領の28年のその結果はどうだったのか。2016317日付日本経済新聞は「病めるアメリカ」について次のように論じている。「病めるアメリカとは何か。第一は経済格差の一層の拡大である。米国では上位5%の高所得層が富の68%を支配し、下位50%の低中所得層が抱える富は1%に過ぎない。第2は人種問題をめぐる対立は益々深まっている。第3は政治不信である。既成政治集団は大企業、大口政治資金に頼り、一般大衆の声は無視されている。第4はオバマ大統領には失望した。大衆の怒りは頂点に達している」

 ここにトランプ旋風を生み出したアメリカの歴史時代がある。希望を託したオバマは裏切り者だ。もう誰も信じられない。大衆の怒りがトランプを動かした。これがアメリカの歴史時代であり、歴史が大衆を揺り動かしているのである。ここに歴史の法則がある]と。

結果、トランプ氏は民主党のヒラリー候補を破り、大統領選に勝利した。

そして、一旦はバイデン氏に敗れて政権を去ったトランプ氏は、ウクライナ戦争に介入して激しい「インフレ」「格差拡大」「貧困化」をもたらしたバイデン政権(と、その民主党)に対するアメリカ国民の怒りの爆発に支持され、再び政権に返り咲いた。

 だが、言うまでもなく、ブルジョア政治家であるトランプ大統領には、アメリカ国民大衆の切実な要求である「格差の解消」も「ラストベルトの再生」も「インフレと貧困の解決」も「移民問題解決」も「アメリカンドリームの復活」も、何一つ実現することはできない。「24時間で解決させる」と豪語した「ウクライナ戦争の停戦」も完全に行き詰まり、自信満々の「関税対策」(貿易赤字解消)も国際社会から「自由貿易体制と国際秩序を破壊するな」と猛反発をくらい、そして最近、米連邦最高裁さえこの高関税を違法と判断(その一方で、政府に対し納めた税金の返還を求める各企業・事業者の訴訟が多発)、「短期間で終息させる」としたイランへの軍事攻撃(戦争)は今日まで終息のめどさえ立たず


よりもまず、人間としての尊厳を確立し、人間性を打ち立て、権利と自由と民主主義に基づく連帯と協力と共有・共同の社会を実現する。人類の未来は新しい型のコミュニティ社会である。

 

(2)そのための大前提こそ国家と権力を人民の手に移すことである。すべては権力(の本質)が決定する。最大限の利潤のみを追求する独占的財閥と帝国主義の権力と国家を破壊し、人民権力と人民政府を樹立する。

 

(3)人民権力と人民政府樹立の母体は人民戦線である。人民戦線は独占的財閥と帝国主義支配に反対するすべての勢力(労働者、農民、非独占的企業家、中小商工業者、文化知識人、学生・青年・女性)の結集体であり、その政治勢力である。

 

(4)人民権力の基本構造は、地域別、産業別、各層別に組織され、構成された人民代表による人民評議会、人民委員会であり、ここにすべての権力(立法、司法、行政)を掌握させる。

 

(5)人民評議会と人民委員会はその機能実現のための行政機関を執行するとき、必ず「生活と権利、自由と民主主義、独立と平和」の実現。「人としての権利と自由と尊厳」の確立。生産活動においては「連帯と共同のもとでの社会的競争」。「経済的真の平等、政治信条の自由、批判の自由と行動の統一」の実践。「内容の独裁、方法の民主主義」という作風を実行する。

 

(6)このような人民権力は天から降ってきたり、地下から湧いて出てくるものではない。それは運動と闘いと実践の中から生まれ、敵権力と併行して成長し、転化する。故に人民戦線運動における基本的勝利とは「人民闘争、人民戦線、人民権力(人民評議会)」であり、この基本的勝利ぬきには真の勝利、最終的勝利はない。

 

(7)そのための戦略、人民戦線戦略とは何か。それは一切の運動と闘いの根本目標、根本原因を権力問題として闘うこと。そのために徹底した外線作戦を展開し、統一戦線を形成して敵を包囲すること。そのための基本認識と基本スローガンを「生活と権利、自由と民主主義、人間の尊厳、人間性の確立と擁護」におく。この基本思想のもとに共通の敵に対する共同の闘いとして進めつつ、あくまで先の「基本的勝利」を追求する。目前の勝敗の度合いはこの「基本的勝利」の度合いが決定する。

 

(8)そして人民戦線戦術とは何か。人民の一切の諸要求(経済的、政治的、思想的、社会的、歴史的)実現の闘争(運動)形態は、情勢と条件と力関係の中から生まれるものであり、それは集会とデモ、大会と宣言、声明と決議、宣言と街頭行動、ストライキと実力、敵権力への包囲と圧力、行動隊と突撃隊などの展開である。

 

(9)人民戦線運動の合言葉は次の通りである。

 

人民戦線とは人民による、人民のための、人民の世界(権力、政府、社会)をめざす運動と闘いである。

人民戦線とは独占的財閥と帝国主義支配に反対するすべての勢力の統一戦線であり、「批判の自由、行動の統一、政治活動の自由」という人民民主主義的団結と統一体である。

人民戦線とは真の人間性、真のヒューマニズム、真の


同盟がくわわったことは、第二次世界戦争の反ファシスト的・解放的性格をつよめざるをえなかったし、実際にまたつよめたのである。

  まさにこれを基盤として、ソ同盟、アメリカ合衆国 、イギリスその他の平和愛好諸国の反ファシスト運合が形成されたのであって、この連合はのちに諸国の武装力を粉砕するうえで決定的な役割をはたしたのである。第二次世界戦争の起源と性格の問題は以上のようである。

  それでは、戦争の結果はどうであるか。

  つぎにのべるのが、もっとも重要な結果であって、他の結果はすべてこれにもとづいて生じたものである。この結果は、戦争の終結のころ敵は敗北をこうむり、われわれとわれわれの同盟国は勝利者となったということにある。われわれは敵にたいする完全な勝利をもって戦争をおえた、――ここに戦争のもっとも重要な結果がある。だが、これはあまりに一般的な結果であって、われわれはこれで終りにするわけにはいかない。もちろん、第二次世界戦争のように、これまで人類の歴史になかったような戦争で敵をうちやぶるということは、世界史的な勝利を得ることを意味する。これはそのとおりである。それにしてもやはり、これは一般的な結果であって、われわれはこれで安心するわけにはいかない。われわれの勝利の偉大な歴史的意義を理解するには、この問題をもっと具体的に検討しなければならない。

  われわれの勝利は、まず第一に、わがソビエト社会制度が勝利し、ソビト社会制度が戦火の試練にりっぱに堪えぬき、自分の十分な生活能力を証明したことを意味する。

  周知のように、外国の新聞は、ソビエト社会制度が失敗の運命にある「危険な実験」であり、ソビエト制度が実生活のなかに根をはっていない、チェカ〈「反革命・サボタージユ・投機撲滅非常委員会」(一九一七~二一年)〉の機関が人民におしつけた「カルタの家」であって、そとからちょっと押しただけでこの「カルタの家」はちりぢりにくずれてしまうだろうと、たびたび断言したものである。

  今われわれは、戦争が外国新聞のこうした断言を、すべて根拠のないものとしてくつがえしてしまったということができる。戦争は、ソビエト社会制度が、人民のなかから成長してきて、人民の強力な支持をうけている真に人民的な制度であること、ソビエト社会制度が十分生活能力のある強固な社会組織形態であることを示した。

  それだけではない。今では、問題はソビエト社会制度に生活能力があるかどうかということではない。というのは、一目瞭然たる戦争の教訓があるので、どんな懐疑家ももはやソビエト社会制度の生活能力についてあえて疑問をもちだしはしないからである。問題なのは、ソビエト社会制度が非ソビエト的社会制度よりもずっと 生活能力があり強固であること、ソビエト社会制度がどんな非ソビエト的社会制度よりも優れた社会組織形態であるということである。

  われわれの勝利は、第二に、わがソビエト国家制度が勝利し、わが多民族ソビト国家が、戦争のあらゆる試練に


 われわれの勝利は、第三に、ソビエト武装力が勝利し、わが赤軍が勝利し、赤軍が英雄的に戦争のあらゆる不幸に堪えぬき、敵の軍隊を壊滅させ、勝利者として戦争をおえたということを意味している。

  今では、赤軍がその偉大な任務に堪ええたことを、味方も敵もみなみ認めている。だが、六年前、すなわち戦前の時期にはそうではなかった。周知のように、有名な外国のジャーナリストと、外国の多くの自他ともに許した問題の権威は、再三つぎのように言明したものであった。すなわち、 赤軍の状態には大いに疑問のふしがあるとか、赤軍の装備はわるく、ちゃんとした指揮官をもたないとか、その士気は批判するにたりないとか、 それは防御には役にたつかもしれないが、攻撃の役にはたたないとか、ドイツ軍から攻撃をうけたあかつきには赤軍は「粘士の足をした巨人」のように瓦解するにちがいないとか、言明したのである。このような言明は、ドイツだけでなく、フランス、イギリス、アメリカでもおこなわれた。

  今われわれは、戦争がこれらすべての言明を根拠のない笑うべきものとしてくつがえしてしまったということができる。戦争は、赤軍が「粘土の足をした巨人」ではなく、完全に現代的な装備ときわめて経験にとんだ指揮官と高度の士気と戦闘力をそなえた現代第一級の軍隊であることを示した。赤軍が、昨日までヨーロッパ諸国の軍隊を恐怖させていたドイツ軍を壊滅した当の軍隊であることを忘れてはならない。 

   (出典は『スターリン戦後著作 

 

   集』1954 大月書店)              


潤追求の資本の論理、どこよりも早い技術革新と領土(資源と市場)の確保、独占化は資本主義(帝国主義段階)の宿命であり、これがすなわち力、暴力による支配の元凶、すなわち戦争の元凶ともなる。資本主義の国家と権力にとって戦争(暴力支配)は必然である。

また『朝日新聞』(515日)は東京大学東洋文化研究所で特に米中関係に詳しい佐橋亮教授のインタビュー記事「交渉力低下 手玉にとられた米」を掲載。そのなかで佐橋教授は以下のように指摘している。

[トランプ米大統領は、対イラン攻撃の終結が見通せず、11月に中間選挙を控える。今回の首脳会談で農産品やエネルギーなどの対中輸出拡大といった経済的成果を得たいとの思惑があったはずだ。…実際のところは中国側に手玉にとられ「対等性」を見せつけられた会談だった。…中国の国力が増強され、経済ではレアアースが「武器化」された。米国はイラン情勢に足をすくわれている。時間は中国に優位に働いている]と。

『毎日新聞』(516日)は「焦る米 見透かす中国」「米 目先の利益追求:中 譲歩なしに安定化」として、[今回、習氏は中国にとって最重要課題である台湾問題でも、「適切に対処しなければ関係は危険に向かう」とトランプ氏に対し面と向かって警告し、この問題で「中国主導」を内外に印象づけた]としている。また、「ミニ論点」なるコラムでは専門家らの見解として、さきの佐橋亮東大教授は「米の交渉力低下」を指摘し、丸紅中国経済研究総監の鈴木貴元氏は「中国は100点満点」と論評。 

ごらんの通り、各紙が伝えるその内容の一つ一つは、アメリカはもはや帝国主義国でもなければ、覇権国でもなく、世界の憲兵でもなく、その力はなくなったということの証である。まさに普通の大国になり下がったということである。しかし、ブルジョア政治家トランプ氏らには、それは追い詰められる恐怖感であり、それが焦りとなって展開する政策は、歴史の運動法則に逆行し、ますます敗北し、大混乱(破壊)を引き起こしているのである。ここに歴史は前へ、前へ進み、そのために破壊と建設は必然の法則であるという歴史科学がある。

断っておかなければならないのは、さりとて中国がかつてのアメリカ帝国主義に代わる力を備えているということではない。同じ資本主義国としての法則たる不均等発展の産物であるに過ぎず、中国も世界の資本主義諸国と同じような内部矛盾(貧富の格差、失業、経済不況、犯罪の多発、すなわち「生活と権利、自由と民主主義」への圧迫)を抱え激動している。

 

資本主義諸国の内部は「格差拡大」で分裂と分断が進み、国際世界も「リーダー不在」で分断・分裂が進んでいる。しかし人民は協力・共同・連帯の精神を堅持し、独占とその国家と権力に対して分裂・分断を克服し、団結して闘わなければならない 


泥沼化し、すべてが独りよがりの独り相撲に終わっている。台湾への武器売却をめぐる問題が浮上する中、米国はイラン攻撃で弾薬を大量に消費し、それらの備蓄水準に懸念が出ているとして513日付『朝日新聞』は以下の内容を報じている。一部のミサイルは攻撃前の水準に戻すまでに数年を要する。迎撃ミサイル「SM3」は備蓄の最大6割、高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD」は8割、地対空ミサイル「パトリオット」は6割をすでに使った、と。わが国が購入した(2020年約800億円の予算計上)ステルス戦闘機(F35B)の納期(2024年)遅れ、迎撃ミサイルSM62022年約700億円の予算計上)納期未定なども明らかになっている。これらはアメリカの開発遅延、供給不足によるものとされており(わが国だけではない)、フランスの歴史学者E・トッド氏の言う米国の製造業の衰え、産業システムの衰退にある。アメリカの内実が見えてくるではないか。

これがトランプ政権と弱体化し、もはや覇権国の面影さえ喪失したアメリカの偽らざる姿である。トランプ大統領のこけおどしがいかに弱者の見せかけであるかがよくわかる事例でもある。

そして人民大衆は、こうしたアメリカの政権、弱者の味方を装って登場したトランプ政権の「失敗(欺瞞)」を通じて、「問題は独占とその国家と権力にこそある」ことを自覚し、「エリート対大衆」などという愚かしい分裂を克服し、共同と連帯を実現し、コミュニティー共同体・社会主義を目指す偉大な闘争を決起していくであろう。

 また、既に多くの国が、もはや軍備・軍事同盟によって国を守ることはできない、現代においては「自力防衛」(自主・独立)を強め、共同と協力を強化しない限り、自国の平和も安全も守ることはできない、との自覚を深めている。

 現代においては、国内問題も、国際世界の問題も、すべてコミュニティー精神とコミュニティー共同体抜きには、何一つ解決することはできないのである。ここに現代の歴史時代の核心がある。

 

わが人民戦線は何を求め、何を実現せんとするのか。その政策とは何か!

 

 歴史科学は今やすべての道が人民民主主義に基づく人民の世界を求めている。21世紀は人民と人民戦線の時代である。歴史がそのように求めれば求めるほど、独占と帝国主義はそれに逆らい、自己支配を維持するため新右翼主義、新民族主義、新しいファシズムをめざして一層反動化する。故に人民と人民戦線は自己の隊列を整えて闘う以外にない。ここに勝利の道がある。この運動と闘いの旗印は次の通りである。

(1)地球上のすべてにおいて、人類社会において、何


人間愛に満ちた集団であり、人民権力、人民政府の母体であり、われわれの国家である。

生活と権利、自由と民主主義、独立と平和、人間性と人間の尊厳をめざす人民闘争、人民戦線、人民権力万歳。

10人民戦線的世界と人間像は次の通りである。

国家・社会・生産活動の目的を最大限の利潤追求のためにするのではなく、全てを人民と人間の豊かさのためにする。

生産第一主義と物質万能主義ではなく、人間性と人間の尊厳を第一にする。

金と物がすべてではなく、人間の心と自然の豊かさを第一にする。

着物や建物の美しさではなく、働く人びとの生きる姿の美しさを第一にする。

一人だけ自分だけが急いで先に進むのではなく、遅くてもみんなと一緒に力を合わせて進む。

存在(環境)が人間(の心)を決定する。存在(国家と権力)を人間(人民)のものにせよ。ここに人間性善説が最終的に勝利する。       

  以上である。

 

 後記

読者の皆さんのご健闘に心から敬意を表します。これから豪雨と猛暑が襲う季節になります。身体の安全・健康にくれぐれも留意し、不屈に闘い抜きましょう。さて、1面で独ソ戦を扱っていますが、第二次大戦に関する歴史記録作家でフランス人ジャーナリストのドニク・ラビエール(パリ・マッチ誌の特派員)とアメリカ人ジャーナリストのラリー・コリンズ(UPI・ニューズウィーク誌の特派員)の共著『今夜自由を』(1977年5月・早川書房刊)興味深いエピソードが紹介されています。独ソ戦開始前夜、イングランド南部のチャーチル邸でもたれた午餐会でのこと。英国新聞界の大御所・ビーヴァーブルック卿は「ロシアは1ヵ月、遅くとも6週間で万事終わる」と述べ、時の英首相チャーチルは「米国政府・英参謀本部は、1ヵ月以上かかるとみているが、3ヵ月は持つだろう」と語ったのに対し、欧州、ロシア、ドイツの王侯貴族の末裔に連なり、各国の情報に通じており、後に英軍総参謀長になった知将マウントバッテン伯は、「私は皆さんと意見を異にします。ロシアは勝利するでしょう。第1に、スターリンは国軍粛清で内部対立の芽を全て潰し、第2にロシア国民は今や守るべきものを持っているからです」と断言しました。歴史はマウントバッテン伯の予言の正しさを証明しました。1面で紹介されている革命的マルクス主義者・スターリンの発言をよく読めば、「何故ソビエトが勝利したのか」がよく分かります。客観的事実をしっかり見つめ、歴史を大局的・俯瞰的に見つめ、その上で一つ一つの事件を深く分析・評価することが重要です。マルクス主義は科学であり、真理であり、そうであるが故に必ず勝利するのです。マルクス主義万歳!(K