2024年5月25日 №537

2024年5月25日 №537

《2024年4月「日米首脳会談」の本質とは何か》


 それは、衰退し没落した大国・米国の復興はもうあり得ない。岸田首相はその米国を守って、先頭に立つことを宣言した。日本は再び戦争に巻き込まれ、敗北の道を歩んでいくのか!

 

資本主義の先、人類と日本人民の未来はコミュニティ共同体であり、それはそう遠い先のことではない。現代の歴史時代、混迷と混乱、爆発を通じて、歴史は法則通りに進む!

 

 202448日から14日にかけて、岸田文雄首相は米国を訪問し、バイデン大統領と首脳会談を行い、「日米はグローバルパートナーとして共に国際秩序維持を守り抜いていく」との共同声明を発した。岸田首相は安倍首相以来の9年ぶり5人目の「国賓待遇」であり、米国の両院合同会議で議会演説も行ない、米国は最上級の歓迎ぶりであった。また、今回の日米会談・交渉では、軍事部門、防衛産業、外交政策、先端技術開発、宇宙開発等々の諸分野で70余項目にわたる提携・協力・協定が結ばれた。

まさに「鳴り物入り」の日米首脳会談であった。しかし、外交は常に内政の反映であり、内政の延長上にある。この点について、410日付日本経済新聞は、ズバリ「日米首脳、内憂打開へ接近」との見出しで、「両首脳はともに国内で低支持率に悩み、それぞれ再選を懸ける選挙を控える」と報じている。同紙は、米国内情勢について、「直近の世論調査でトランプ前大統領のリードを示す結果」がある中、「バイデン大統領が岸田首相を国賓待遇で迎えることは日米が戦略的に協力し、強力で前向きな議題に取り組んでいると世界に示す機会になり、…主要な同盟国(日本)との深い結びつきに成功していると国内の有権者に誇示できる」との米ハドソン研究所・クローニン氏の論評を紹介している。日本国内については、416日付産経発表の共同通信世論調査によると、岸田内閣の支持率は238%の低さであり、自民党の政治資金問題では「処分が軽い」が655%、「十分解明されていない」が933%である。首脳会談後行われた4月補選で、3区とも自民敗北、立憲・野党勝利であったことからも明らかなように、9月に自民党総裁選を控えた岸田首相もまた深刻な危機に晒されていた。今回の日米首脳会談はこうした政治的背景のもとに行われたのである。

今回の首脳会談について、417日産経新聞の《社説検証》は『産読日「新たな防衛協力」を評価 朝毎東「巻き込まれる」恐れ懸念』との見出しで、産経・読売・日経新聞は「国際秩序を守る強固な新たな日米同盟」を評価し、朝日・毎日・東京新聞は「日本が主体性を欠いたまま、軍事一体化を進め、米国の世界戦略に追随し、巻き込まれていく」ことへの懸念・批判を示した、と報じている。このように報道・世論が真っ二つに割れていることからも明らかなように、日本は、戦争か平和か、いずれ道を行くのか、その分岐点に立っている。 

われわれは、後者の評価を基本的に支持しつつも、今回の日米首脳会談の本質についてさらに深く追求し、階級的で歴史科学に基づく見解を以下に示す。

 

もはや米国一国では何もできなくなり、「グローバルパートナー」「多重的包囲網」に頼らなければ「国際秩序」の維持などできなくなっている。ここに衰退し、没落した米国のあがきがある。もはや米国の復興はあり得ず、米帝の崩壊、現代資本主義の終焉は不可避である。

 

日米両国首脳が必死になって維持せんとしている「国際秩序」なるものは現在どうなっているのか? 

ウクライナ戦争は3年目を迎え、ますます泥沼化している。特にゼレンスキー民族主義政権を支える米国・NATO陣営は「援助疲れ」に陥り、内部矛盾を深め、各国国内の反発を招き、米国は毎度「ウクライナ支援予算」を巡る議会の混乱に悩まされている。 

中東のイスラエル・パレスチナ(ハマス)戦争の現状はどうか。米国に支持されてきたイスラエル・ネタニヤフ政権は、その凄まじいまでのガザ攻撃が「非人道的戦闘行為」として、国際世論の激しい批判を浴びる事態を迎えており、大統領選を控えたバイデンはイスラエルに盛んに「休戦」を要請している。だが、ネタニヤフは全く言うこと聞かない。更に、中東全域への戦乱拡大を恐れるバイデンの「心配」をよそに、ネタニヤフはイランとの戦闘を拡大させており、もはや米政府のコントロールがまったく効かなくなっている。

こうした中、今回の日米首脳会談で、バイデンは、中国・ロシアの覇権主義を繰り返し非難し、「日米グローバルパートナー」を天まで持ち上げ、QUAD(クアッド…日本・米国・豪州・インドの戦略的協力体制)の重要性を繰り返し強調し、日米韓同盟の強化を訴え、AUKUS(オーカス…米英豪の安保枠組み)に対する日本の協力を約束させ、あまつさえ411日には訪米中の日・比首相とバイデン大統領は首脳会談を行い、合同海上訓練実施まで決定した。これらは、米国は一国だけではもう何もできなくなったこと、「日米同盟」「多重的包囲網」に頼らざるを得なくなっていることの証明である。米帝はそれほど弱体化し、衰退してしまったのである。これが現実である。ここに現代の歴史時代がある。

「大国の興亡」の著者として名高い、英国の歴史家、ポール・ケネディ氏は帝国、つまり大国は衰退し、崩壊していく運命にあることを明らかにしている。歴史的にはローマ帝国が崩壊し、その後歴代の帝国はみな破綻し、崩壊した。今その運命が大国、アメリカに降りかかっている。だからポール・ケネディ氏は次のように言う。2011710付読売新聞の『地球を読む』欄で、『ドル支配の時代は終わりに近づいている。…問題は米国の信用が失われていることだ』と断定し、さらに現代資本主義の腐敗・堕落を次のように手厳しく批判している。『大きな勝者は投資家たちであろう。今日の国境なき世界において、彼らは国家的な忠誠心を

    

 持たず、1日中、利ザヤを求めて動く。彼らは商品市場のあらゆる理性を破壊した。

銅の先物買いをするのは銅線を作るためでなく、翌日売って15%の利益を得るためだ。どこかの国の通貨を、破綻に追い込むほど売り買いすることもできえる。遊べる準備通貨が3つもあれば、彼らは大喜びするだろう。…なぜなら、世界を動かしているのはまさに通貨だからである』と。

つまりは、帝国の腐敗と、その必然的な破綻を論じているのである。

行き詰まったアメリカが日本などの同盟国を囲い込み、あがいても結局は崩壊の運命に抗うことはできない。如何に自民党や岸田政権が、日本は同盟国としてアメリカを守り抜くとすり寄っても、結局は、歴史によって厳しく糾弾されるであろう。

現代の歴史は、帝国が崩壊し、新しい歴史を生み出す転換期である。だから世界が爆発している。日本は如何なる道を進むのか、歴史はこのことを強く迫っている。

 

岸田首相と日本政府は、何の説明もないままに米軍との「指揮系統一体化」を決定し、自ら米国を守る先兵となり、日本国民を「米国の戦争」に駆り出し、戦争に巻き込み、戦場に駆り出さんとしている。平和か戦争か、歴史はその分岐点にある!

 

 今回の日米首脳会談において特に注目を集めたのは、日米の軍事同盟強化であり、特に在日米軍と自衛隊との連携強化に向けた「指揮系統の一体化」であった。指揮系統が一体化されれば、日本は「米国の戦争」に自動的に巻き込まれ、自衛隊はそのまま戦場に送り込まれることになる。バイデンは「同盟発足以来、最も重要な刷新だ」と語っているが、実際その通りである。

19519月に締結された日米安保条約では、日本の政府・権力は米国に戦略的に従属し、日本政府は米軍が自由に使用できる基地を無償提供することが決められ、同時に、米国は日本を防衛する義務を負うが、日本は米軍を守る義務はない、とされた。しかし、その後、日本は再軍備を進め、今や軍事大国となり、軍事力・経済力を弱体化させた米国は「安保協議」を通じて一方的に日本に軍事的負担を押し付けて来た。更に、安倍内閣は20147月の閣議決定と2015年9月の強行採決によって「集団的自衛権行使」を容認する「安全保障関連法」を成立させ、こうして米軍と自衛隊の一体的運用を可能にした。そして、202212月、岸田内閣は戦後日本の国防政策の大転換となる「安保関連3文書」(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画)を閣議決定のみで承認・公表し、「敵基地反撃能力」を保有する取り組みを開始し、防衛費をGNP比1%から2%に増やし、今後5年間に防衛費を43兆円まで拡充することを決定した。そして今回、日米両軍の「指揮系統の一体化」(自衛隊は完全に米軍の指揮下に入る)にまで踏み込んだのである。

売国的日本政府は、沖縄県民があれほど反対したのに「代執行」を発動させて辺野古基地建設を強行。昨年11月に事故を起こした米軍機オスプレイを、早くも今年3月には「原因不明」のまま日本国内を自由に飛び回らせている。日本政府は、米政府・米軍の顔色を伺うばかりで、住民・国民の命の危険など全く顧みない。日本は世界でも「稀に見る従順な米国の同盟国」と見られており、世界の笑いものとなっている。

なぜこういうことになるのか。それは、元々、日本独占資本の権力支配の目的が、国民の生活と暮らし、生命と安全、自由や人権を守ることにあるのではなく、独占資本自身の利潤・利益獲得にあるからである。独占資本の権力支配の第一の目的は、そのつきることのない欲望たる最大限の利潤を追い求めることにあり、第二の目的は、最大限の源泉を国内だけにかぎらず、国外にもそれを求めて経済的進出 (侵略)をはかることにあり、第三の目的は、最後の目標たる帝国主義的支配をめざすこと、である。そして、その目的実現のために、第2次大戦後の特殊な事情から、日本独占資本は自身の権力を支配しつつも、独立を放棄し、米国に縋り、米国の従属的同盟国となって国の再建を図るという、恥ずべき売国路線の道を選んだ。故に、日本の外交・軍事・基地問題、戦争と平和の問題等々すべて、米政府・権力と戦略的に対決し、それに屈従する日本独占資本の権力支配を打倒する闘い抜きに、絶対に解決しえないのである。

今回の日米首脳会談において、「台湾有事」「存立危機事態」を煽り立てる米国が言うままに、岸田首相は「中国敵視」の方針を一段と鮮明にした。現在、南シナ海の豊富な資源・領有権を巡って、米国、中国、日本、東南アジア諸国の争いが激化している。だが、それらはすべて、民族主義国家・政府間の醜い争いであり、アジアの労働者・人民にとってはまったく無縁の争いである。労働者・人民にとって争う理由など全くない。労働者・人民に国境はない。他国を搾取・収奪する必要などまったくない。労働者階級と人民は、お互いに共同し、協力し合って南シナ海の開発を行えばよいのである。

世界の海は本来誰のものでもなかった。世界人民と周辺諸国のものであり、共同体のものであった。国境線を引いたのは帝国主義と資本主義である。

 

多くの軍事研究家・専門家が語っているように、現代世界の混乱と混迷、戦争と平和の危機を解決する唯一の道は国際共同体の実現であり、それは決して遠い先のことではない。歴史は現在既にその「成功モデル」を提起している。

 

われわれの手元に一冊の本がある。グウィン・ダイヤー著『戦争と人類』(ハヤカワ新書)である。彼は国際的に著名なカナダ・イギリスの軍事史研究家であり、1943年にカナダで生まれ、ロンドン大学で軍事史・中東史を学び、博士号を取得。イギリスの王立陸軍士官学校の講師を務め、カナダ・イギリス・アメリカの海軍に在籍し、1983年のカナダのテレビシリーズ『戦争』によってその名が世界に知られるようになった軍事研究の専門家である。

この書の「解説」を書いた池田嘉郎氏(東京大学教授・西洋史研究)は、ダイヤ―氏は文化人類学の成果をいかした巨視的な把握から入って、戦争の歴史の変遷を要領よくまとめている。武器の発展や戦術の考案も大事だが、狩猟採集や農耕や遊牧といった社会経済上の変化、国家の形成と拡大、それに国際秩序の成立

 



が、戦争の進化と一体的に論じられており、分かりやすく、説得力に富んでいる、と高く評価している。

 

ダイヤ―氏は本書の結論を次の言葉で締めくくっている。『次の何世代かをかけて私たちがやらなければならないのは、独立した国家から成る現在の世界を、真の国際共同体のようなものに変えていくことだ。そうした共同体を作るのに成功すれば、そこがどんなに論争が絶えず、不満が多く、不当行為に満ちていても、戦争という古びた慣例を実質的に排除することができるだろう。そうすれば、ようやく一息つける』と。マルクスが『経済学批判・序言』の中で、人類は初めて一息つける。そして人間社会は前史を終え、宇宙との戦いがはじまる、と語ったが、われわれはこの科学的世界観をよくつかまねばねらない。

 

また、ダイヤ―の書いた「この一冊」について、防衛研究所安全保障政策史研究室長の塚本勝也氏は、2024113日付日経新聞の書評欄において、《国際共同体に見出す希望》と題して、次のように述べている。『ならば、人類の破滅を招く戦争を防ぐにはどうすればよいのか。それには、現在のような独立国家からなる世界を、真の共同体へと変化させるべきだと著者は言う。…戦争という負の遺産を捨て去り、人類が共存できる未来をめざせるのか。著者の指摘する危機的状況を踏まえると、その問いに答えを出すために残された時間は、我々が思うより短いかもしれない』と。軍事・防衛問題の専門家である塚本氏の言である。傾聴すべきであろう。

 

そして、注目すべきは、既にその「成功モデル」が歴史によって提起されていることである。それが、民族主義が跋扈するこの現代社会にあって、見事な共同体社会を実現させている、ユダヤ民族とパレスチナ民族の先進部分が中東に形成した小さな共同体である。2024年2月23日付読売新聞は『共生50年、希望の村』との大きな見出しで、現在のイスラエル・ハマス戦争の最中にあって、何度も集まり、繰り返し話し合い、互いに協力し合い、仲良く共同生活を送っている事実を伝えている(記事の全文は2024425日付人民戦線機関紙・2面に掲載)。 

それは紛れもなく、コミュニティ社会であり、小さくとも人類の未来にとっては大きな出来事であり、しかも50年も続いているのである。ここに現代の歴史時代がある。まさに現代は共同体社会前夜の時代である。

最後に、先の記事で、この共同体を中心になって支えているのは何人かの先進的知識人・リーダーであると報じられているが、こうした共同体の存在・結束を維持し守り抜いていくためには、そうしたリーダー・指導部が絶対に不可欠である。すべては核があって団結と統一がある。国際的な労働者階級と人民を団結させ、統一させ、国際共同体・コミュニティを作り上げる決定的力、それこそ各国の革命的前衛党とその結束であり、国際共産主義運動の統一体・インタナショナルである。「万国の労働者団結せよ!」(マルクス)。

 

結 び

 

歴史の到達点はコミュニティである。人類が最初に作り出した原始共同体社会は、より発展し、前進し、より高度になって元に帰っていく。階級なき共同体社会―自覚し、認識し、確認しあった共通の意志にもとづく直接的な民主主義としての評議会を通じて、生産も、分配も、統治も、すべては共同体の中で執行される。人類最初の社会はそうであったのだ。

環境が人間を作り出す。新しい時代と新しい社会と新しい環境が新しい型の人間を生み出す。こうして人類の前史は終わり、人類社会は新たな闘いに向かって前進する。それは全宇宙との闘い、宇宙の開拓と開発の闘いである。

         

                                                          (以上)

 

 



ム〟をくりかえしている、というのが実際である。

ところがこうした国際政治の実態のなかで、イスラエル民族主義とアラブ民族主義は、それぞれブルジョアジーによって指導されているため、彼らは共に、相手を抹殺しようと計画しているがそれがブルジョア的であるが故に、とうてい実現することはない。現に、もしもアラブ民族主義者たちが、『シオニズムとイスラエルを地中海につきおとして抹殺する』ことを本当にやりぬこうと思うなら、まずイスラエルを強力に支持しているその保安官たるアメリカ帝国主義と徹底的に闘争しなければならないはずではないか。ところがアラブ民族主義者はそれをやる勇気も、準備も、覚悟もなく、反対にアメリカ帝国主義とは盟友の関係にあるソ連社会帝国主義にすべてよりかかっているというのであるから、まさにこれはマンガである。ここにブルジョア民族主義の町人根性、汚い手口、ごまかし、そして敗北の哲学が存在している。

 これは逆の立場から、イスラエルのブルジョア民族主義者にもあてはまる。

 かくして中東の行方はどうなるのか。今日までの歴史と、四回にわたる中東戦争の結末がその未来をはっきりと予測している。それはすなわち現代世界の二つの超大国、米ソ両帝国主義の世界政策、この二つの帝国主義の同盟のワク内で、この二大国が互いにイスラエルとアラブの側につきつつ、その局地戦を利用して世界を二分割しようとする帝国主義政策に、中東は最後まで利用されるであろう。

 そしてイスラエルとアラブ民族主義は、ブジョアジーに指導されているかぎり、結局は最後まで米 ソ帝国主義に翻弄され、彼らにあやつられながら、自国の運命を帝国主義によってにぎられてしまうのである。

 その結果、はてしない〝局地戦争〟に人民の血は流され、人民の苦しみは自国のブルジョア民族主義と外国帝国主義の手によっていっそう深まって行く。

 だが、階級闘争の歴史はいつまでもそういうことを許しはしない。自覚し、めざめた人民は、労働者階級の指導のもとに、はっきりとブルジョア民族主義と現代帝国主義のいつわりの政策を見破り、彼らの旗じるしに、はっきりとプロレタリア的民族解放のスローガンをかかげるであろう。

 それは第一に、アラブ人民とイスラエル人民は団結して、はてしない殺りくをつづけるブルジョア民族主義と現代帝国主義に対して反対せよ!

 第二に、アラブ人民とイスラエル人民の重要な敵は、アラブとイスラエルのブルジョア民族主義者であり、米ソ両帝国主義である。この二つの敵に断固反対して闘争せよ!

 第三に、アラブ人民とイスラエル人民の友は、国際労働者階級と真の社会主義と人民である。これらと団結し、現代帝国主義とブルジョア民族主義に反対してねばりづよく闘いぬくなら、最後の勝利はわれわれのものである!

 アラブとイスラエル人民の団結万歳!

 アラブとイスラエル人民は最後には勝利する!

 これがマルクス主義者、革命的共産主義者、労働者階級の唯一で、絶対に正しい民族政策であり、民族解放闘争のスローガンである。

                                   

結 語

 

世界のすべての諸問題は社会主義的共同体思想へ。ここに集約され、ここに人類の未来展望がある。

 

①人類とその社会は永遠の過去から永遠の未来に向かって運動し、発展し、爆発し、収れんされつつ前進していく。そのエネルギーは人間の生きる力であり、その物質的表現としての生産力である。

②生産力の発展がその度合いに応じて生産関係としての人類社会(国家)を作り出していった。それは最初の原始共同体、次の奴隷制、封建制、資本主義制、そして社会主義へと一貫して生産力の発展が生産関係(国家)を変化させていった。これからもそうなる。

③物理学が証明しているとおり、すべての生物は環境が作り出していく。人類もまた環境の産物であり、進化していった。環境が人間を変えていく。新しい環境と新しい社会は新しい型の人間を作り出していく。

④人類の歴史を見ればわかるとおり、一つの支配権力、一つの国家形態が永遠であったことは一度もない。歴史は常に運動し、変化し、発展し、転換して次々と新しい時代を作り出していった。そして歴史を見ればわかるとおり、変化は静かで一直線ではない。爆発と収れんは歴史法則である。歴史は前を目指すが、その過程では常に偶然が伴う。偶然は必然のための産物であり、偶然は必然のための糧である。そして必然の世界とは人民の人民による人民のための世界であり、より高度に発展したコミュニティー社会である。歴史は到達すべきところに必ず到達する。

⑤コミュニティーとは何か。人民の人民による人民のための世界とは何か。それは国家、社会、生産活動の運営目的を、最大限の利益と利潤追求のみに注ぐのではなく、すべてを人民の生活と文化水準と社会環境の安心・安全・安定のために注ぐ。

⑥生産第一主義、物質万能主義、拝金主義、弱肉強食の国家と社会ではなく、人間性の豊かさと人間の尊厳と人間としての連帯と共生の国家と社会にする。

⑦金と物がすべてではなく、人間の心と自然の豊かさが第一であり、姿や形だけの美しさではなく、働く人びとの生きる姿と心の美しさが第一であり、一人だけで急いで先に進むのではなく、遅くてもみんなが一緒に進む。

⑧人類とその社会は生まれたときから環境の産物であり、歴史的なものであった。環境が変われば人類とその社会も変わる。国家と権力が変われば人類社会は変わる。

⑨そのための力こそ、すべてを人民のための・人民による・人民権力であり、その具体的表現たる人民評議会である。運動と闘いの中でいたるところに評議会を組織せよ。人民の要求、人民の意志としてここで主張する。そして権力として、歴史時代が求める自らの責任と任務を執行させる。

⑩人類が最初にはじめてつくった社会は、原始的ではあったが、そこにはまさに共同と共生と連帯の人間的社会があった。そしていくたの回り道をしたが、その間により大きくなってもとに帰る。つまりより高度に発達した近代的コミュニティー国家と社会へ。ここから本当の人間社会、人民の社会が生まれる。こうして人類は総力をあげて大宇宙との闘い、新しい闘い、宇宙の開発と開拓の闘いに進軍するであろう。

 以上である。